bveプレーヤー(特に阪急を知らない人向け)に各形式の紹介をします。運転するときのワンポイントも掲載いたします。データーとして再現している形式を紹介します。
阪急1000系は2013年、1300系は2014年にデビューした通勤型電車です。
主電動機に永久磁石同期電動機(PMSM)を採用し、騒音を従来車(9000)に比べ-4bB低減させ車内灯、前照灯にLEDはじめからを採用するなど各機器の省エネルギー化が図られています。2025年現在阪急の最大勢力になりつつある車両です。
1300系は全閉形の誘導電動機モーターを導入し、騒音を低減させています。
編成:8両編成(4M4T)
組成: Tc+M+M'+T+T+M+M'+Tc
制御装置:VVVFインバータ制御(IGBT素子)
電動機:永久磁石同期電動機
起動加速度:2.6km/h/s
減速度:3.7km/h/s(非常4.2km/h/s)
定速制御搭載
ブレーキ:電気指令式
回生優先ブレーキ(遅れ込め制御)
純電気ブレーキ搭載
ワンハンドルマスコン車両(P5-B6)
ブレーキが他形式に比べてとても良く効きますし、クセがなく思った通りに動かせる車両だと思います。加速力も良く音も静かでとにかく車両挙動も安定しています。
1000系と1300系で制御器メーカーが異なるからか、加速・ブレーキともにジャーク制御の設定が異なり、1000系はふわっと起動開始・電流遮断しますが、1300系はぬるっと起動しスッと加速が終わり(伝われ)ます。
神戸線 1000F・1002F
宝塚線 1001F・1003F
阪急9000系は2006年にデビューした通勤型電車です。
阪急9300系は2003年の鉄道の日に京都線特急用としてデビューした車両です。この形式から日立のA-trainをベースにしていますが阪急マルーン色や車内の化粧板など阪急マインドをしっかりと受け継いだ電車です。9000系と9300系では通勤型、特急型と制作目的が異なるため、9000系はロングシートですが9300系はセミクロスシートが採用されています。
編成:8両編成
組成:Mc+T+T+T+T+T+M'+Mc
制御:VVVFインバータ制御(IGBT素子)
電動機:三相誘導電動機
起動加速度:2.6km/h/s
減速度:3.7km/h/s(非常4.2km/h/s)
定速制御搭載
ブレーキ:電気指令式
回生優先ブレーキ(遅れ込め制御)
純電気ブレーキ搭載
ワンハンドル車両(P5-B6)
加速力は他形式に比べて一番良いですが、3M5Tのため雨天時は加速は鈍足になります。ブレーキはほどほどに効き停めやすいかと思います。こちらも主制御器の違いが影響しているのか9000系は比較的雨天でも加速しますが、9300系はとんでもなく遅いです。また実車では中間車が5両連続していることから、突き上げるような衝動がしますので、操作をする回数を少なくすると滑らかな運転ができると思います。
神戸線 9004F
宝塚線 9004F(宝塚線に転属した想定の編成)
阪急8000系・8300系は1988年にデビューした通勤型電車です。当時技術が確立した最新技術のVVVFインバーター装置を採用しました。前面スタイルは額縁スタイルといい、一段飛び出した箱のような形をしているのが特徴です。
基本的な車体構造は7000・7300系に準じていますが、途中編成から前面デザインの変更があります。
阪急電車ファンの間で最も人気と思われる形式の一つで、復刻塗装や撮影会などのイベントが盛んに行われています。
2025年現在は更新工事が進行し、特徴的なGTOサイリスタ素子のインバータ駆動音は後少数の編成が残るのみとなりました。更新後は永久磁石同期電動機を使用しIGBT素子を使用したインバータに換装されています。
編成:8両・6両・2両編成
組成:Mc+M+T+T+T+T+M+Mc
制御装置:VVVFインバータ制御(GTO素子)
起動加速度:2.6km/h/s
減速度:3.7km/h/s(非常4.2km/h/s)
電動機:三相誘導電動機
定速制御搭載
ブレーキ:電気指令式
回生優先ブレーキ(遅れ込め制御)
純電気ブレーキ搭載
ワンハンドル車両(P5-B6)
加速力・減速力ともに平均的な感じでクセもなく運転しやすいと思います。 ブレーキについては、BVEではメーターの動きを見てブレーキングする方も多いと思いますが、デジタルメーターのラグがあるため、できれば頭の揺れを設定し運転することをおすすめします。また、定速制御のムラが大きく+-3km/h以内で制御するので、9000系より新型の車種みたいに115km/hで定速制御しても速度を一定に保つことはできません。注意してください。
雨天時はとても滑ります。加速はP3以下の低加速ノッチを選んで運転しましょう。減速は平常時よりも早い場所でブレーキをかけ始めて、晴天時よりも一段少ない段数でブレーキングしていると思って、ブレーキをかけるとうまくいくかもしれません。
神戸線 8000F・8003F
宝塚線 8005F
8000Fとそれ以外の編成ではインバータ音が異なります。
阪急7000系は1980年に神戸線にデビューした電車です。車体はほぼ6000系と同一ですが制御方式を界磁チョッパ制御に変更した点が挙げられます。製造時期が長がったことやリニューアル工事によってバリエーションが非常に多い電車です。
2025年現在ではアルミ車(車体の材質が2種類ある)は大規模リニューアル工事を受け、主電動機を永久磁石同期電動機に換装し、VVVFインバータ制御車と改造されました。製造から45年たった今でも神戸線の主役として走行しています。
阪急7300系は、神宝線7000系に続く京都線向けの界磁チョッパ制御車両として、1982年に登場した電車です。2両から8両さらには最大10両の多様な編成、VVVF制御の長期試験車であるC#7310の存在、最近ではリニューアル及びVVVF制御に更新された編成の登場などで様々な形態が生まれており、今なお特急運用から地下鉄直通運用までオールマイティーな活躍を見せています。
編成:8両・7両(3系のみ)・6両・4両(0系のみ)・2両
組成:Mc+M+T+T+T+T+M+Mc
制御装置:抵抗制御+界磁チョッパ制御
大規模更新車はVVVFインバータ制御(IGBT素子)
起動加速度:2.7km/h/s(実測値)
減速度:3.7km/h/s(非常4.2km/h/s)
電動機:直流複巻電動機
大規模更新車は永久磁石同期電動機
VVVFインバータ制御車は定速制御搭載
ブレーキ:電気指令式
回生ブレーキ(一部編成に回生優先ブレーキ搭載)
ワンハンドル車両(P5-B6)
界磁チョッパ制御車とインバータ制御車で車両性能が全く違いますので是非それを体感してみてください。界磁チョッパ制御車は他形式に比べて高速域の加速が弱く、神戸線の30パーミル勾配を速度維持するのがやっとです。逆にインバータ制御車では性能が格段に良くなっていますので坂もグイグイ登っていってくれます。ブレーキ力も界磁チョッパ制御車よりインバータ車のほうが格段に強いため楽々運転できます。
雨天時はどちらも雨には弱いです。界磁チョッパ制御車は厳密な滑走検知制御を搭載していなく、滑りに滑ったら回生ブレーキをカットして空気制動になるだけです。インバータ車も粘りますが、遅れ込め制御の割合が他形式に比べて高いのか雨天でもどんどん回生ブレーキを使っていこうとしますので、ブレーキ力を強くしすぎると逆に滑走方向に転じてしまいます。
界磁チョッパ車ならではの、抵抗制御とVVVF制御の合いの子のような運転感覚や、1M仕様車とユニット仕様車で異なる特性をお楽しみください!
神戸線 7020F・7013F
宝塚線 なし
京都線 7320F(京都側7400)・7321F・7323F・7300F(7連)(京都側7401)
7013Fは大規模リニューアル工事を受けたVVVFインバータ制御車です。
神戸線 7027F未更新車
宝塚線 7018F
6300系は、1975年に特急列車のサービス向上などを目的に登場しました。先代の2800系と同じく2ドア・クロスシート車ですが、ロングシートを廃し車体両端に寄せたドアや標識灯部分にあしらった飾り帯など、特急車としての風格を増しました。2010年、後継となる9300系に置き換えられる形で特急運用を引退し、現在は観光列車「京とれいん」として改造された1編成と、嵐山線用にリニューアルされた3編成が活躍しています。
編成:6両・4両
組成:Tc+M+M+M+M+Tc
制御装置:抵抗制御
起動加速度:2.4km/h/
減速度:3.7km/h/s(非常4.2km/h/s)
電動機:直流直巻電動機
ブレーキ:電気指令式
発電ブレーキ
ワンハンドル車両(P5-B6)
5300系と同等の仕様ながらもMT比の違いや、先頭Tcの関係で少し感覚の異なる運転体験をお楽しみください!
嵐山線 6351F
京都線 6354F(京とれいん京都側6454)・6350F(京都側6450)(8連時代)
阪急6000系は1976年に宝塚線にデビューした電車です。性能ほぼ5100系と同一でブレーキ方式を電気指令式ブレーキに変更した点が挙げられます。
製造時期が長がったことやリニューアル工事によってバリエーションが非常に多い電車です。
2025年現在は宝塚線を中心に8両編成で活躍し、4両あるいは3両編成に短縮され、ワンマン改造を受け今津線などの支線にて活躍しています。
編成:8両・4両・3両
組成:Mc+M+T+T+T+T+M+Mc
制御装置:抵抗制御
起動加速度:2.7km/h/s(実測値)
減速度:3.7km/h/s(非常4.2km/h/s)
電動機:直流直巻電動機
ブレーキ:電気指令式
発電ブレーキ
ワンハンドル車両(P5-B6)
他形式に比べて、加速ノッチオフ時の限流遮断(パッコン!)が早いのが特徴です。また抵抗制御域の加速の衝動が他形式に比べて強くグイグイ加速していくような印象を受けます。デビュー当時起動加速度2.43km/h/sで設計されていたそうですが、現在は2.8km/h/sに限流値を上げられているようで、抵抗制御領域→弱め界磁領域に移行する速度が38km/hほどと低いのも特徴です。ブレーキもよく効きます。
雨にはめっぽう弱く、加速するときに晴天と同じようにフルノッチにすると滑っても無いのにパッコン!と空転もしてないのに遮断することもあります。
宝塚線 6000F
今津線 6025F+6026F
甲陽線 6010F(ワンマン)
5300系は、京都線向けでは初の量産冷房車両として、1972年に登場した電車です。性能としてはごく普通の抵抗制御車ですが、阪急では初めてとなる電気指令式ブレーキが採用された事が特筆されます。製造時期が長かったこと、またリニューアル編成の登場などで、様々なタイプが存在しており、現在は主に準急や普通列車に使用されていますが、過去には特急運用に就いていたこともありました。
編成:8両・7両
組成:Mc+M+T+T+T+T+M+Mc
制御装置:抵抗制御
起動加速度:2.7km/h/s(実測値)
減速度:3.7km/h/s(非常4.2km/h/s)
電動機:直流直巻電動機
ブレーキ:電気指令式
発電ブレーキ
ツーハンドル車両(P5-B7)
(実車のほどはわかりませんが)この5300系はとても素直に走ってくれて扱いやすいクルマです。
阪急唯一となるツーハンドルの電気指令ブレーキのステップは、以降のワンハンドル車より1段多い常用7段となりますので、より細やかな制動操作をお楽しみください。
7両編成 5302F(京都側5403)
8両編成 5313F(京都側5414)
阪急5000系は1967年に神戸線に登場した通勤型電車です。1967年の神戸線1500V昇圧に伴い、1500V専用車として設計され、神戸高速線や山陽電車への乗り入れ目的として投入されました。登場から50年以上経った2020年でも神戸線最後のツーハンドル車として走り続け、1月に神戸本線から支線転用させることなく廃車となりました。
2025年現在は今津線を中心に6両編成として活躍しています。
編成:8両・6両
組成:Mc+M+T+T+T+M+M+Tc
制御装置:抵抗制御
起動加速度:2.7km/h/s(実測値)
減速度:3.7km/h/s(非常4.2km/h/s)
電動機:直流直巻電動機
ブレーキ:電磁直通空気ブレーキ
発電ブレーキ
ツーハンドル車両
登場から50年以上たった旧型車ですが加速力は1000系などに退けを取らない加速力でよく走る車両です。ただブレーキ力は少し弱めで、止まらない~と思って停止寸前で圧力をかけすぎるとドスンと止まりますので注意しましょう。
5000系はカムの進段が遅いため、少しの勾配でちょっとだけ加速したいと思った場合は早めにノッチ投入するのをおすすめします。6000系はカムの進段が早いため、ノッチ投入してから加速力を得られるまでそんなに時間かかりませんが、差があります。
今津線 5002F
神戸線 5000F
大阪市交通局(現大阪メトロ)66系は1990年に堺筋線車両としてデビューしました。冷房搭載と同時に、VVVFインバータ装置を堺筋線車両としては初めて採用しました。
旧来の60系とは異なり前面も傾斜がつけられたものに変更されています。 特徴的な音のGTO-VVVFインバータは多くの音鉄を魅了しており人気のある車両です。
阪急車と同じく、ワンハンドルマスコンを採用しています。
編成:8両編成
組成:Tc+M+M+T+T+M+M+Tcc
制御装置:VVVFインバータ制御(GTO素子)
起動加速度:2.8km/h/s
減速度:3.5km/h/s(非常4.5km/h/s)
電動機:三相誘導電動機
ブレーキ:電気指令式
回生優先ブレーキ(遅れ込め制御)
ワンハンドル車両(P5-B6)
減速度がスペック通り阪急車両と比べて低いです。そのため同じようにブレーキングすると少し不安要素があるかもしれません。
遅れ込め制御のM車負担分が、阪急車両と比べて少なく設定されているようで、高速域でブレーキングすると「あれっこれ回生ブレーキしてるのかな」と感じるほどです。加速は遅いと感じることはないです。
66610F(現在はリニューアル工事を受けインバータが更新されています)